古酒・熟成酒の品質について

古くて新しい日本酒の古酒・熟成酒

 近年、醸造技術・貯蔵-冷蔵-技術の進歩により淡麗・フレッシュ・フルーティーといった新鮮な日本酒が親しまれるようになりました。貯蔵技術がそう進歩していなかった時代、日本酒は自然の力に任せた熟成をさせ、古酒として楽しむ文化が身近に存在していました。

 新鮮な日本酒が主流の現在では、古酒・熟成酒は古くて新しい文化です。ご購入にあたり少しだけ皆様にお気に留めて頂きたいことがございますのでご一読下さい。

醸造年月がわからない問題

製造年月

 ラベルに記載されている「製造年月」は「お酒が造られた年月」ではありません。これは古酒・熟成酒に限ったことではありませんが、「お酒を瓶詰めし、ラベルを貼り付け、出荷できる状態にした日」を示しているからです。1977年古酒の製造年月日が2018年表記されていることは一般的です。

 また、古酒として販売されているお酒は醸造年が明記されていますが、醸造年度の表示義務が無いためいつ醸造されたかラベルからはわからない事があります。弊店では、蔵元にヒアリングし可能な限り表記するようにしておりますので参考になさって下さい。

ビン底にカビが生えているように見える問題

沈殿物

 古酒・熟成酒は静置しておくと、酒中の成分が経年変化し澱と言われる黒や白い綿状・綿っぽいものが沈殿することがあります。この瓶底にたまった澱はカビの類ではありませんので飲んでも健康被害はありません。またひどく不快な味わいを与えるものでもありませんので酒中に混在してもお飲み頂けます。

オリだけ集めて楽しむ方もいらっしゃいます。

容量が少なく見える問題

容量

古酒・熟成酒は少量生産の為、手詰により出荷しています。同一製品でも液面に差異が発生いたしますが、計量し出荷していますので表記容量を下回ることはありません

ラベルの見た目がボロい問題

外観

 出荷準備された状態で貯蔵される商品はラベルや外箱に経年相当の風化、ヨレ、焼け、外箱やラベルの色移りなどが発生します。また、冷蔵貯蔵品は夏場の結露によって強く影響を受ける場合があります。これも古酒・熟成酒の風合いだと思いお楽しみ頂ければと思います。

同じ商品なのに味が違う問題

味わい

 斗瓶、一升瓶など小分け貯蔵しているお酒は瓶ごとに熟成の具合が異なります。出荷時にさらに小分けにした際に同じ商品でも瓶ごとに味が異なる場合があります。

 お酒の熟成は温度、量、容器、振動で熟成具合が変わってきます。一升瓶貯蔵でも地面近くと、積まれた2m上では温度が揺らぐ速度が違います。そういった事から、品質をある程度一定にするためにブレンドをする商品もあれば、あえてそのまま出荷するものもあります。弊店の商品案内はなるべくその点がわかるように情報表示しておりますのでご参考になさってください。

 この、全てを人の思い通りに出来ない自然の力・時の流れを味わうのも古酒・熟成酒の楽しみだと思います。

ここに書かせて頂いた事の一部は改善すべき点もあると思います。しかし、いにしえ酒店ではこれらも一時代に存在する古酒・熟成酒ならではの面白さだと考えております。皆様にもその点ご理解を頂き古酒・熟成酒の魅力に触れて頂ければ幸いです。

何卒、クレーム・返品事由とされないようお願い申し上げます。